MICRO/2000水質分析計は、酸化物残留量を信頼性高く精確に測定できるオンライン分析計です。飲料水、廃水処理から、冷却水、遊泳用プール、産業用水にいたる水処理分野においても高い精度で、1μg/l の感度レベルで測定することができます。
Micro/2000は滅菌処理に使われる残留塩素を遊離残留塩素とクロラミンに分けて測定することができる他、過マンガン酸カリウム、二酸化塩素などの測定や制御に活用できます。
特徴
- 遊離・全残留塩素、二酸化塩素、過マンガン酸カリウムを0~0.1から0~50mg/l の範囲で精確に測定可能
- 廃水、飲料水、冷却水(清水又は海水)での測定に適応
- 裸電極型測定セルによりメンテナンスが少なく、故障確率を最小化
- サンプル水の濁度や電気伝導度等による水質変化の影響を受けないので、長期にわたり安定した測定が可能
- 連続した電量滴定法測定により、高速、応答性の制御が可能
測定原理
電量滴定方式。排水、冷却水、飲料水中の遊離/全残留塩素、二酸化塩素、過マンガン酸カリウムを連続測定。
先進的エレクトロニクス技術の採用
マイクロプロセッサー技術により簡単な操作を可能にしています。NEMA 4Xのケースに収納され、Micro/2000分析計が持つすべての精巧な特徴と関連させる事が可能です。直射日光下でも認識できる指示計により、遊離残留塩素や全残留塩素、警報メッセージ等を指示します。またキーボードにより設定や校正等、各種メニューへ切り替え、測定レンジや警報設定値や表示情報の切替など容易に操作できます。
独特なサンプルフロー
サンプル水は飲料水処理では3.8~7.6 l/minの流量でMicro/2000に供給します(廃水処理に関しては廃水処理に適したサンプリングポンプを用いて、11.4~18.9 l/minの流量でMicro/2000に供給します)。過剰なサンプル水はY型ストレーナのエレメントを連続洗浄し、必要量の測定用サンプル水が分析計に供給されます。Micro/2000の内部ではバルブレスのペリスタルティックポンプが、実際のプロセスで生じるタイムラグに合うように分析セルにサンプル水を送ります。このポンプは汚れを生じるような流量制御オリフィスや逆洗浄が必要ありません。同時にこのポンプはpH緩衝や全残留塩素測定が必要である場合、サンプル水に比例した量の試薬を送り出します。またpH緩衝液の代わりにCO₂ガスを用いてpH緩衝を行うこともできます。安価な試薬を少量混合してサンプル水中に注入することで、性能や信頼性を落とすこと無く、ランニングコストを劇的に減少させることができます。測定セル内のモーター駆動の羽根車がセル内の流速を一定に保ち、グリットが常時電極表面を洗浄する流れを作り、メンテナンスを軽減します。
三電極測定セル
実績のある電量滴定技術により、Micro/2000分析計は三電極測定セルを使用しています。電量滴定は、正確で水質の変化に影響されない指示及び安定した制御用の出力が可能です。露出した裸電極のため、Micro/2000分析計は隔膜式電極で生じる微生物、グリース又は濁度による汚れの影響を受けない上、隔膜式電極では測定ができない、ジクロラミンを含むすべての種類の残留塩素を測定できます。三電極測定セルは他の分析計では必要なゼロ点調整は行う必要がありません。信頼性・感度は飛躍的に向上し、メンテナンスの必要性が劇的に減少しました。水質分析計の校正や精度は、他の水質分析計では問題となりうる濁度や電気伝導率などの水質変化の影響を受けません。
サンプルラインの自動注入機能
Micro/2000分析計は特に廃水処理の分野での測定に適しています。このポンプは定期的に殺菌剤を自動注入を行うよう分析計のソフトウェアで制御されます。殺菌剤を注入している間は、制御及び指示操作を混乱させないため分析計の4~20mA電流信号を停止します。このようにして分析計の信頼性は高くなり、メンテナンス作業は減少します。
サンプルフロー図
仕様
精度 | フルスケールの1%(最小1μg/l) |
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感度 | フルスケールの1%(最小1μg/l) |
再現性 | フルスケールの1%(最小1μg/l) |
安定性 | 正常な運転状態において一ヶ月でフルスケールの ±1% |
測定レンジ | 0~0.10 mg/l、0~0.20 mg/l、0~0.50 mg/l、0~1.0 mg/l、0~2.0 mg/l 0~5.0 mg/l、0~10.0 mg/l、0~20.0 mg/l、0~50.0 mg/l の上記9レンジから選択可能 |
連続運転レンジ | 各測定レンジに対し100:1 |
反応速度 | ポンプモーター回転数2rpmにおいて90秒 ポンプモーター回転数1rpmにおいて180秒 (サンプル水は内蔵のペリスタルティックポンプによりセルへ供給) |
出力信号 | 残留測定に比例し、ゼロ測定値が中心の4~20mAアナログ信号 最大インピーダンス600Ω |
温度条件 | 使用環境温度:1.6℃~51.6℃、サンプル水温度:-3.3℃~51.6℃ |
サンプル水供給量 | 約8~10 l/min、推奨流速1.5m/sec(測定セルのサンプル水必要量は0.5 l/min) |
配管接続 | モジュラータイプ-サンプル用3/4”NTPメスネジ、ドレンは1-1/4”NPTメスネジ 壁取付タイプ-1/2”NPTメスネジ、ドレンは3/8”及び1-1/4”ホースソケット |
収納キャビネット | 耐水・耐酸NEMA 4X |
外部警報 | 3点リレー接点。高警報、低警報、システム警報、システム停止警報のいずれか 又は合成した警報をキー操作によりユーザー設定可能 リレー接点は無電圧でN.O./N.C.(警戒/解除) 接点容量はAC230V、5A又はDC30V 5A. |
電源 | 単相100V*/単相*200V又は単相115/単相230V、50/60Hz、14VA 又はEN標準24V DC※変換トランス付属 |
消費電力 | 分析計:240W、記録計:15W |
アクセスコード番号 | 2種の3桁コードがキーボードから入力可能 |
メニュー | メイン・セットアップ・入出力・診断・テストの5種類(キーボードで指示切替) |
ディスプレー | 4桁のLCD数字指示及び16文字アルファベット指示 |
寸法 | モジュラーキャビネット寸法:H1.74mxW0.70mxD0.41m 壁取付型分析計寸法:H0.38mxW0.56mxD0.28m |
出荷重量 | キャビネットケース型:約90kg 壁取付分析計本体:約34kg |
液状試薬
pHが大きく変化する液体について遊離残留塩素測定を行いたいときには、pH4緩衝液を添加します。廃水を測定する場合には、ヨウ化カリウム溶液に洗浄剤を混ぜて添加します。ストレーナ付ポンプ配管は試薬容器に装着されます。1ガロン(3.8liter)の試薬は3~10週間内に消費されます。遊離残留塩素を測定する代わりに過マンガン酸カリウム、又は二酸化塩素を測定する場合は、硫化アンモニア溶液をヨウ化カリウム溶液の代わりに用います。
CO₂ガス注入システム
飲料水、又は冷却水中の遊離残留塩素を測定する時には、液状pH調整剤の代わりにオプションのCO₂ガス注入システムが利用できます。このシステムは圧力調整器、配管、パージメーター、自動調整弁とディフューザーを含みます。
付属品
Y型ストレーナ、サンプルライン用絞り弁、全残留塩素測定用ヨウ化カリウム溶液、チューブ入りグリット、pH試験紙、取り扱い説明書。モジュールには搾水用の仮配管。
上記に加えて、
飲料水または冷却水用:pH4緩衝液15liter
廃水用:pH4緩衝液15liter、洗浄剤170g
二酸化塩素又は過マンガン酸カリウム測定用:有利残留塩素除去用硫化アンモニア溶液二ヶ月分
オプション付属品
記録計(24時間用400枚又は7日間用100枚の円形チャート紙、又は24時間Zホールド式ストリップチャート紙、記録用ファイバーチップ製ペン1年分付)。
サンプルライン注入用定量ポンプ、校正用電量滴定器、サンプリングポンプ(サンプル水の水圧が0.35bar以下のとき必要)、関連部分の結合部品、分析計収納箱ドアキー、CO₂ガス注入システム及びCO₂残留量計測用シリンダー2本
株式会社OKAMURA
〒652-0831
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TEL:(078)652-3151(代)
OKAMURAの仕事
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